HOMEreading bookThe Tale of the Bamboo Cutter
声を出して一緒に読んでみましょう
一寸法師 Issun Boshi - Little One-Inch/日本おとぎ話
成立年・作者/不明
第3章
広い砂利道(じゃりみち)をさんざん歩いて、大きな玄関の前に立った一寸法師は、ありったけの大きな声で、「ごめんください。」 とどなりました。
でも聞こえないとみえて、だれも出てくるものがないので、こんどはいっそう大きな声を出して、「ごめんください。」とどなりました。
すると、屋敷の人が出てきましたがだれも玄関にはいませんでした。
ふしぎに思ってそこらじゅうを見渡したところ、下駄の下に立っている一寸法師をようやく見つけました。
「あれまぁなんて小さいんだろう」
「どうぞいっしょうけんめいがんばります、おやしきではたらかせてください。」
そして一寸法師は、その家のお姫さまのお守り役になったのです。
一寸法師は体こそ小さくても、まめまめしくよくはたらきました。
たいへん利口で、気がきいているものですから、みんなから、とてもかわいがられました。
お姫さまも一寸法師がたいそうお気に入りで、どこへお出かけになるにも、一寸法師をお供にお連れになりました。
だんだん仲がよくなるうち、いつかお友達のようになって、ときどきはけんかをしたり、いたずらをし合って、笑ったり泣いたりすることもありました。