HOMEreading bookThe Tale of the Bamboo Cutter
声を出して一緒に読んでみましょう
一寸法師 Issun Boshi - Little One-Inch/日本おとぎ話
成立年・作者/不明
第4章
ある日の事、一寸法師はお姫さまのお供をして、お寺にお参りに行きました。
するとその帰り道、突然、二匹の鬼が現れたのです。
「おおっ、これはきれいな女だ。もらっていくとしよう」
鬼はお姫さまを見ると、さらおうとしました。
「待て!」
一寸法師はおじいさんにもらった針の刀を抜くと、鬼に飛びかかりました。
ところが、「何だ、虫みたいなやつだな。お前なんぞ、こうしてくれるわ」
鬼は一寸法師をヒョイとつまみあげると、パクリと丸のみにしてしまいました。
鬼のお腹の中は、まっ暗です。
一寸法師は針の刀を振り回して、お腹の中を刺してまわりました。
これには、鬼もまいりました。
「いっ、いっ、痛たたた!」
困った鬼は、あわてて一寸法師を吐き出しました。
「よし、今度はわしが、ひねりつぶしてやるわ!」
もう一匹の鬼が言いましたが、一寸法師は針の刀をかまえると、こんどはすばやくおどりあがって、のどの穴から鼻の穴へ抜けて、それから目のうしろへはい上がって、さんざん鬼の目玉をつっつきました。
「たっ、たっ、助けてくれー!」
二匹の鬼は、泣きながら逃げ出してしまいました。