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声を出して一緒に読んでみましょう

竹取物語 The Tale of the Bamboo Cutter/日本おとぎ話 
  成立年・作者/不明 

 

第2章

翁(おきな)は、その後も黄金の入った竹を取ることが続きました。そして、お金持ちになり、その土地の有力者になりました。
女の子が大きくなったので、秋田(あきた)という者を呼んで、女の子に名前をつけさせました。
秋田は、しなやかな竹のかぐや姫と名づけました。
このとき、三日間、盛大に宴(うたげ)を開きました。そして、いろいろな踊りや演奏を楽しみました。
その宴(うたげ)には、身分の高い者から低い者まで、分け隔てなく呼ばれました。
男たちは、身分の高い者も低い者もみんな、その美しさを聞いて、何とかしてかぐや姫を自分の妻にしたいと思いました。


ある日、帝(みかど)急にかぐや姫の家を訪ねました。するとそこには、かぐや姫が輝くように美しい姿で座っています。
「これがあの美しいかぐや姫であろう。」とお思いになって、かぐや姫のもとへ近づきました。すると、かぐや姫は逃げようとするので、帝はかぐや姫の着物の袖をつかみ、連れて行こうとしました。
すると、かぐや姫は帝(みかど)にこう申し上げました。「私がもしこの国に生まれているのであれば、帝(みかど)のお側で仕えることができます。しかし、やはり私を連れて行くことは難しいことと思います。」
帝(みかど)は、「そんなことがあろうか。やはり連れて行こう。」と言って、乗ってきた御輿(みこし)を呼ぶと、かぐや姫の姿が突然見えなくなってしまいました。


帝(みかど)は、とても残念に思いました。そして、本当に普通の人ではないのだ、とお思いになって、
「それほど嫌なら、連れて行きはしない。もとの姿におなり下さい。せめて、その姿だけでも見て帰ろう。」と仰(おっしゃ)いました。すると、かぐや姫はもとの姿に戻りました。
かぐや姫の姿を見ると、帝(みかど)はやはり、姫をすばらしく思う気持ちが抑えられません。
そこで、かぐや姫に会わせてくれた竹取の翁(おきな)にお礼を言い、盛大な宴(うたげ)を開いてあげました。
 宴を終えると、帝はかぐや姫を残していくことを残念に思いながらも、帰って行きました。


帝(みかど)は、御輿(みこし)に乗ってから、かぐや姫に歌を送りました。
  「帰る道のりが悲しく思われて、つい振り返ってしまいます。私の言葉にそむいて、残ったかぐや姫、あなたを思うがゆえに。」
するとかぐや姫は、
  「田舎で長年暮らしてきた私が、どうして帝のお側にいられましょうか。」
と返歌を送りました。
帝(みかど)は、この歌をご覧になって、ますます帰りたくない気持ちでいっぱいになりました。
しかし、道で一晩過ごすわけにもいかず、そのままお帰りになりました。

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